スポーツをずっと愛して続ける方法、見つけたり!

2021.01.26

学校の部活でスポーツに出会って一所懸命に取り組むものの、卒業するタイミングで止めてしまったりする方って多いと思います。それはすごくもったいないことだな、と長い間感じていました。今日は少しでもヒントになればと、自分の経験から長くスポーツを続ける方法をお話しできればと思います。

中学に入る時に、テニスをやっていた母親に誘われてボールを打ってみたら面白くて軟式のテニス部に入りました。3年間がんばって、県大会に出るくらいにもなりました。その後高校に入ると、なんとなく自然な流れで硬式テニス部に入りました。そういう方も多いんじゃないかと思います。

同じテニスでも軟式と硬式では全く違ったボールの打ち方をします。一番顕著なのがラケットを持った手とは逆サイドに来たボールへの対応、バックハンドの打ち方です。軟式テニスでは片手打ちでグリップチェンジせずに、フォアハンドで打つ時と同じ面で返します。ところが硬式の片手打ちではグリップチェンジをしてラケットの逆の面で打つことが普通です。ラケットを持たない方の手を持ち手に添えて両手で打つこともします。大坂なおみ選手の画像などでも見たことがある方も多いかもしれませんね。硬式テニスではあの両手打ちが大多数を占める打ち方になります。

でも、高校に入ってコーチや先輩から「硬式テニスの一般的な打ち方」を教えられたときに、中学時代に自分なりに一生懸命培ってきたものを全クリアさせられてしまうような感覚を持ったんです。天邪鬼なのかもしれないですけれど、「本当にそうなのかな」って思ったんですね。せっかく身につけたやり方で硬式を戦ってみるのも面白いんじゃないか、って。少なくとも、何も考えずに教えられた通りにやることが嫌だったんです。

そこで、「自分なりのテニスのスタイルを追求してやろう」と考えました。何かヒントがないかといろいろなスポーツを調べたのですが、その結果参考の一つになったのが「居合抜き」です。刀を抜く一連の動作、筋肉の使い方がバックハンドに似てる、って気がついたんです。それから専門誌を見たり、少ない映像資料を探してみたりして練習し、自分なりにバックハンドでボールを返す方法を身につけました。

自分にとっては、色々と調べて試してみる、その過程が楽しくて仕方ないです。自分の筋肉のつき方、体の使い方の変化を実感できる。そして、試合で結果が出たり、対戦した選手から「それ、どうやってやるの?」なんて聞かれたりすることもたまにあり、それもうれしく思います。

また、いまだに僕自身のスタイルも変化し続けています。今は膝を痛めているので、普段は届くボールに届かない。じゃあ、どうするか。より相手の動きをみて、ボールの軌道を予測することに集中してみる。さらに、シューズとインソールを自分の現状に合ったものに変えてみる。そうすると足が遅くても取れちゃったりするんですね。

プレイスタイルが変化すれば道具に要求することも変わってきます。うまくプレイできなかったら思い切って道具のせいにしちゃいましょう。僕も毎回これだ!と思うラケットとガットは変わっていきますが、今使用しているものは非常にマッチしており、この仕事につけたからこそ出会えたものだと思います。

必要に応じて考えて、自分や道具、環境を変えてみる。そうすると新しい景色が見えてくる。そこがまた楽しいですね。例えば歳を取ったら、取ったなりのやり方を見つけていけば、続けられると思うんです。

この経験から、言われた通りにやってみる、もいいかもしれないけれど、自分のスタイルを追求してそれを作り出すことができれば、スポーツとの付き合い方、楽しみ方が一段と深くなるし、飽きずに続けられる、ということに気がつきました。

よくよく考えてみると、プロの選手でも突き抜けるような人は、それぞれ独特のスタイルがあるように思います。みんな、こんな風に「自分だけのスタイルを追い求めて、オンリーワンになっていったんだな」と考えると励みにもなりませんか?

ナンバーワンになるのは難しいことですが、オンリーワンにだったら、きっと誰にでもなれると信じています。まずは、そうした視点でスポーツの楽しさを多くの皆さんに見つけてもらい、ライフワークの1つにして頂ければと思います。参考になれば、うれしいです。

教えてくれたひと:栗本 成純さん株式会社ヒマラヤ 商品部

戦うテニスバイヤー。 試合の地を追い求め、毎週どこかのコートで勝ったり負けたりしています。