とにかく楽しく、かっこよく。それがスポーツの原点だと信じてる。

2020.04.27

ヒマラヤの社長になったのは2016年だけど、学生時代からヒマラヤでアルバイトをして、ずっと日本のスポーツの変遷を見て来た。もちろん、ボクが見て来たことが全てじゃないけれど、市民スポーツという意味では、長く広く、スポーツがどんなふうに広がっていったかは身をもってわかるかなあ。

アルバイトを始めた当時はスキーブームで、とにかくみんな、新しいスキー板やウェアを探していた。他人とは違うものを探していた。でも、ファッションだけじゃなくて、ちゃんと機能も求めて選んでいたよ。それは、ゲレンデでもかっこよくいたかったからだよ。ファッションだけじゃ、ね、カッコよくない。カッコつけるんだったら、ちゃんとスポーツできなきゃ。

そんなブームだったから、たくさんの店もできたし、競争も凄かった。神田に出店した時には、信号で車が止まった途端に脚立を持って交差点の真ん中に走って、脚立の上で看板持って呼び込みやった。そしたらおもしろがってたくさんの人が店に来てくれた。スポーツとユーモアの相性がとっても良くて、それがカッコ良い、ってことにつながっていたんだと思う。
おもしろいことは、とにかくたくさんやったよ。ヒマラヤマンの着ぐるみコスチュームでホノルルマラソンにも出た。スタートラインの最前列ににじり出ていったら、並んでスタートを待っていた世界のトップランナーたちがとてもおもしろがってくれたよ。

スキーブームが去ったあと、野球、サッカー、バスケなど、ほかのスポーツ用品も扱うようになった。ウェアも広がり、今はもちろんアウトドアがすごい人気。

そう考えると、時代の流れと、求められるスポーツはすごくリンクしていると思うね。チームだったり仲間と一緒に達成することを大切に思う時代にはチームスポーツがスポーツの代名詞だったし、生活の中にカジュアルさや快適さが求められると、みんなスポーツファッションを上手に取り入れてくれる。そして、地球環境や自然、自分らしさみたいなことをより大事に思う時代になってきて、たくさんの人がアウトドアに出たくなる。そこで大切なものを発見したり、感じたりしてくれる。

多くの人に支持されるスポーツの分野は、そんなふうに時代によって多少行き来するけれど、やっぱりスポーツの本質は楽しさとかっこよさ、だと思うよ。とにかく、なにをやるにもそれだけは大切にして来た、っていうか、やって来たことを振り返るとそこだけは譲れない、って感じでやって来ているね。だってスポーツは楽しい、が一番。それで、かっこよければ、もっといいじゃない。他人から見て、じゃなくて、やっている自分がかっこよく思える、そっちの方が大事だと思うなあ。

いろいろなことがある時にでも、スポーツがきっと助けてくれる。そう信じてます。楽しく、ユーモアも忘れずに。そして、かっこよく。そのためのお手伝いを一生懸命やって行きますよ。

教えてくれたひと:後藤 達也さん株式会社ヒマラヤ 代表取締役社長 COO

ポジティブパワーと涙もろさで、出逢った人を誰でも虜にするキケンな男。 スポーツすると気持ちが前に行きすぎて、最近は毎年ケガをするのが玉にキズ。