スポーツは魔法のような可能性を秘めている

2021.11.08

奥村 紘子HIROKO OKUMURA

所属:ヒマラヤ SSライフデザイン事業部
スポーツ歴:基礎スキー(準指導員と公認パトロールの資格持ってます!!頑張りました)、ランニング、トレッキング

スキーレッスンで忘れられない瞬間に出会う

スポーツをしていると忘れられない瞬間に出会います。学生時代、スキーレッスンで受け持った幼稚園の女の子のエピソードです。はじめてスキーをする女の子で、最初はスキーを履きたくない、こんな怖いことできるわけがないと嫌がっていました。ですが徐々に滑れるようになってくると自信がついたようで、最後には「私が先生をやるからついてきて!」と、あたかも最初から自分のほうが上手いのだと言わんばかりに滑っていました。後日、親御さんから「娘は自信がついたようで、通っている体操教室は下のクラスから特進クラスになり、乗れなかったテーマパークのアトラクションにも乗れるようになりました」と手紙を頂いたことは忘れられません。学校の修学旅行やスキー合宿などでも、先生方が「あの子のあんな姿初めて見ました!」と驚かれることも多く、スポーツというフィールドは日常では出来ないことを出来るようにしてしまう魔法のような可能性も秘めているのだと思います。

0は何かしらやれば1か100になる

大学時代に取り組んだスキーで「斜面の頂上に立ってしまえばあとは降りるしかないこと」背水の陣を敷く戦法を学びました。先輩たちに降りられない急斜面に放り出されたとき、1シーズンかけて辿り着いた本番のスタートラインが雨と濃霧の悪天候の中だったとき、突然外国語でのスキーレッスンを割り当てられたとき…そもそも「できない」という選択肢は存在しませんでした。

「とりあえずやってみる」は「何かしらはできる」ということです。0が1になるか100になるかはわかりませんが、マイナスになることは絶対にないので、やってみなければ分からない、分からなかったらやってみる、という気持ちは大事にしています。

今所属しているSSライフデザイン事業部の仕事は、学生時代からの夢でした。1年の1/4を雪山で過ごしていたあの頃の私にとってのスゴい大人とは、「都市とフィールドを行き来して活動する、文武両道の大人」でした。フィールドという桃源郷を股にかける、ある意味贅沢にも思えるスゴい大人たちは、どうやってその地に人を呼ぶか、地域を活性化させるか、そして何よりも自分の好きなことをいかに人と共有するかに力を注いでおり、自分もいつかそれをやりたい!と思っていました。あの頃は自分ができることは限られていましたが、今はできることも増えたので、「やってみる」という気持ちで取り組むこれからが楽しみです。

誰もが気軽にスポーツできる文化を提供したい

自分にとっては「誰もが気軽にスポーツができる状態」が「スポーツ文化」がある状態だと思いますし、それを提供していきたいと思っています。そのため、店舗にいた頃は「ランニング経験のない方に、マラソン大会楽しそう!出たい!と思ってもらうこと」、アパレルのMDだった頃は「自分にはこのウェアは着られないなぁ、という心理的障壁を払拭してもらうこと」を自分なりのテーマとして持っていました。

私たちの会社・業界では当たり前に皆スポーツをしますし、広い場所でランニングシューズを渡したらとりあえず足を入れて走り出すはずです。ただ、業界の外に出るとそれは当たり前ではなく、スポーツはツラいものであると捉えられている方も多いように感じます。家のまわりのお散歩であろうと、それはスポーツだよ!それでいいじゃん!と言える状態が「スポーツ文化」の理想です。


最近また大学に入りました

特に学びたいと思っているのは「文化」をどのように扱い、未来に継承していくか。この「文化」は美術工芸品や建造物だけではなく、景勝地、技術、食文化、そしてスポーツ文化などを含めた広義の意味です。「文化」はコロナ禍においてその優先度が議論される場面もありましたが、人々のライフスタイルやアイデンティティの在り方において、誰もが影響・恩恵を受けており、なくてはならないものです。その必要性を明らかにし、いかに持続的に提供し続けられるかを考えていきたいです。
学びたいと思った一番の動機はシンプルに「自分が楽しいと思うものを楽しんでくれる人を増やしたい」ということです。

岐阜のエピソード

岐阜でお酒を飲んでいて隣に座った知らない方と話すと「ヒマラヤさんか~、応援してるよ。」「昔よくスキーを買いに行ったよ。」などと言われることが多いです。マスターに紙とペンを借りて「これは絶対仕入れるべき!」という熱いリストを作ってくれた方もいました。ヒマラヤを語るとき「地域力」というキーワードは必ずでてきますが、私は東京採用なので正直あまりその実感はありませんでした。岐阜に来て初めて、地域に根ざした企業はこんなにも応援してくれる人がいるのかと驚きましたし、そう言ってくれる方々のために頑張ろうと強く思いました。Think Globally, Act Locallyというフレーズは卒業した学科の行動理念のようなものですが、常に地域のことや地域の人を念頭に置いて行動するということは忘れてはならないことだと思います。
個人的なところだと、岐阜駅前で開催する「岐阜ビール祭り」に毎年お手伝いで参加しています。ここで出会った人たちにはたくさんお世話になっていますが、岐阜の人はみんな優しくて親しみやすくて居心地が良いです。