深く考えずに感じることの楽しさ。
好きなことを堂々と主張する。
それでいい。
【日程】2020年3月19日
【会場】427 Sports Advocators’ Library
【参加者】ヒマラヤ社員10名
【主催】-
【協力】ブックショップ「POST」
いつもの様に、仕事を始める前にコーヒーを飲もうと、マイカップを片手に427 Sports Advocators’ Libraryへ上がったところ、「面白いトークが始まるので、ちょっと参加してみませんか?」と、声をかけられました。何が始まるのか分かりませんでしたが好奇心に誘われて、Big Tableに向かうと、そこには、コーヒーと一緒に楽しむパンがおかれ、同じように声を掛けられて集まった仲間と、LibraryのBookセレクトをしてくださったPOST中島祐介さんがいました。
「なにが始まるんや?!」と社長の後藤さんも加わったところで、セッションのスタートです。
POST中島さんより与えられたテーマは、目の前に置かれた特徴的な本を手に取り、どんなことでもいいので感想を聞かせてほしい、とシンプルなものでした。
本の小口がでこぼこに特殊処理されていて、一見すると煉瓦の塊にも見える印象的な本。
山岳を写した写真集かと思えば、実はアルミホイルで作られた山の写真集。
アンネフランクの隠れ家を紹介する本に巧妙に散りばめられたオマージュ。
CG写真集かと思えば、立体物を撮影した写真集。
渡された本は確かにどれも特徴的、でもただ感じることって案外難しいものです。普段あまり目にする本ではなかったので、まず初めに頭をよぎったのは、一体いくらする本なのだろう、でした。
でも一冊一冊を手に取り、ページをめくっていくうちに、作者はこの本で何を伝えようとしているのだろう?という疑問が浮かんできました。だってそれほどに特徴がある本ばかりなんです。これだけ拘った作りなんだから伝えたいことがあるはず、ですよね。
作者の込めた思いを探ろうと見ていると、同じように見えるものでもよく見ると違う。
本物のようだけど実は偽物。
偽物のようで本物…。
つまり、なにが伝えたいんだろう??
そんな、美術館で作品を見ているときと同じような感覚になってきました。
参加したみんながそれぞれの感想を述べたところで、POST中島さんが、「ちなみに、僕が感じたこの作者の意図は・・・」と話を始められました。僕は「え!?中島さんが感じた?正解を教えてくれるんじゃないの?」と、躊躇しながらも話を聞き進めると、
「当然、作者が込めた思いもあります。でも、その本を手に取った人がどう感じたかでいいんですよ。教科書ではないんですから、正解とか不正解とか無いんです。もちろん、作者が込めたメッセージを探る、そんな視点で本をみることも楽しいですけどね!」
本ってなんか難しいな、だったり、正解を見つけないといけないもの、と思っていた僕にとって、いや、きっとあの場にいたみんなにとって、驚きと新しい気づきでした。
次にライブラリーに置かれた本を皆で自由に見ることになりました。
その時間の中でやったことは、本に収められた写真の中から、好きなものを見つけ、付箋を貼る。です。たった20分間くらいの間でしたが、想像していた以上に多くの本を手に取り、ページをめくることができました。そして、僕が好きと感じる写真も見つけることもできましたし、これまで出会うことがなかったシーンを切り取った写真もたくさんありました。
あっという間に終わりの時間となり、最後にPOST中島さんがこんなことをおっしゃっていました。
「“自分はこの写真が好き!”と堂々と言えることが大切なんです。本との距離を縮めるって、そういうところからのスタートでいいんです」と。
ヒマラヤのみんなが、427 Sports Advocators’ Libraryを訪れた際に、所々に付箋が貼ってある本に気付くと思います。それはきっとこの時、僕たちが貼った付箋かもしれません。もし、同じページに何枚もの付箋が貼ってあったら、それはより多くの人が気になったという事でしょう。付箋を貼った人がその写真から何を感じたのか、を想像してみるのも楽しいと思いますよ。
このライブラリーセッションは僕の本に対するハードルを大きく下げ、好奇心も呼び覚ましてくれました。本との接し方は、正解をインプットするのではなく、自分が感じ取ったこと、好きと思えたことを、堂々と主張(アウトプット)することでいいんですね。それが、仕事に活かすことができれば、なお最高、そんな感じなんじゃないかな。